Tech Hunting 101

テックなカンファレンスの中の人です。主に海外出張先から、速報をまとめます。

ad:tech new york オープニングキーノート「変化は気持ち悪いけれど、備えあれば憂いなし。」

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今年20周年のad:tech newyorkに参加しに、NY Javits Centerへにきています。

 先ほどのオープニングキーノートについて、簡単にメモをまとめます。さすがTobaccowala氏、会場は超満員。スライド無しで、特にオーバーなリアクションもなく淡々としたスピーチなのですが、人を惹きつける不思議な話し方をする方です。時代の流れが早すぎてスライドなんて作れるか、次がeMarketer(素敵なスライド盛りだくさん)と笑いを取りつつ、開始。

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これからの時代のキーワードは3つ
まず前提として、20年前に初めてアドテックに参加したときは、Googleなんて誰も知らなかった、Facebookなんて存在なかった。そんな状態なので、当時からこの現状をずばりいいあてた人は、もちろん誰一人いない。故に「これが未来だ」と断言する人はだいたい怪しいので信じないように(笑)。未来は驚かされるものなので、まずは謙虚に、考えてみましょう。
 
1. Globalization
アンストッパブル。必ず押し寄せる、避けて通れない道です。聞こえはいいが、特に個人レベルに落とすと、Globalizationを喜ぶ人は少ないのではないか。世界で勝てなければ勝つことができない、激しい競争社会がはじまる。負け犬が必ず生まれる。反対派も増えるだろう。その中で必要になるのはリーダーシップ。
 
2 Demographic Shift(人口移動)
同じく、アンストッパブル。必ず押し寄せる、避けて通れない道です。
中国とインドが良い例。同じ10億人大国だが、中国は平均年齢40歳、一方でインドは20歳。理由は明らかに中国の一人っ子政策。経済にも表れていて、子孫に期待できない高齢化社会は貯金が恒常化する。若い国、年老いた国の差が広がっていくだろう。経済の中心は若い国にシフトしていく、アフリカがその巨塔。だが、それに言及する人は少ないのが現状。Demographic Shiftはかならず現実。問題だからといって解決策ばかりうたうのではなく、現実としてしかと受け入れて、先回りして動きましょう。
 
3 Digitalization
これも同じく、アンストッパブル。テクノロジーは新しい宗教。Digitalizationが、モバイルという神の力をあたえてくれた。特にこのDigitizationについては未来は明るい。
 
結局これらが相互に作用しあって、ゆるやかだけど確実に、transformation(転換、変化)が起このです。
1. Globalization
2. Demographic Shift(人口移動)
3. Digitalization
 
 
変化は気持ち悪いけれど、備えあれば憂いなし。

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 この転換を正しく見極め、波に乗って生き残るには、視点を変える必要がある。Transformationは気付いたら終わっている。例えば「Uberは車持つ必要をなくした」のであって、「Uberはtaxiのライバル、taxiの危機」と騒ぐのは、違う。Second Lifeが流行らなくなった理由も、人が異空間でのつながりに興味がなかったのではなく、単にモバイルが急速に発達して外でもつながれるようになったから。つまり、Connected Eraが全てを変えたのです。
 
でも正直な話、Change sucks !! みんな変化は大嫌い。それは年をとればとるほどその傾向。私自身も勤続30年が経ちます(笑)。
変わるためには、新しいこを学ばなければならないが、新しいが故に正攻法がない。それが厄介ですよね。でも挑戦しましょうね。特にこの業界は人が資本でしょう?
 
そこで、このConnected Era に備えるための4つのアドバイスです。
 1. 毎週5-7時間をを "新しい" インプットの時間にあてよ。
 2. 信じていることを180度逆のことを考えるくせをつけろ。
 3. Brands Matter.  ブランドがさらに重要になると自覚せよ。それは個人でも、企業でも同様。
 4. ああだこうだ、読むんじゃない。ともかく、やれ。
 
そして企業へのアドバイスは、CMOを全企業の役員に配置すること。役員会、必ずCFOとCTO(CIO)はいますが、CMOがいる確率はかなり低い。それは致命的。各企業の重要な意思決定ラインに必ずCMOがいれば、変化に耐えうる。生き残れる道を必ず見つけることができる。
 
最後に
テクノロジーも進歩したことで、生活もますます快適になりました。
今はとても良い時代です。
でも、その進歩を、ちゃんと実感できていますか?
あなたの生活は、豊かになっていますか?
 
一度、PCを閉じて、スマホから離れて、外に出てみましょう。
きっと明るい未来がみえてくるはずです。

 

https://ny.ad-tech.com/

ミレニアルはもう古い?時代はGenerationZ。公式セッション1日目速報

今朝のキーノートに続き、午後の速報です。 

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公式セッションは、同時に3セッションが繰り広げられる。
TItan Hall
Brightline Hall
Fenox Ventures Hall
特に部屋別のテーマ設定はない模様。以下にて、特に混んでいた部屋をチェックしました。
 

<目視確認で、参加者が明らかに多かったセッションを赤字で囲う>

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混雑状況だけで考察すると以下2点:
 
①米国市場だけ見つめるのはもうダメかもしれない?
米国のカンファレンスで、外国市場が注目されることはあまりないとい勝手な先入観があったので、China Marketのセッションが賑わっていたのが印象的だった。ただ、話されている内容は、さほどディープではなく、WeChatがありますよ、Googleではないですよ、などわりと初歩的な内容。
 
②時代はGenerationZ
GenerationZとは、2000年以降生まれで、スマホがない世界を知らない世代。ちなみにミレニアルはもう1980-1990年代、ネットがない世界を知らない世代。ミレニアルとGenZの間も激烈な壁がある。
GenZは、一つのサービスやブランドへの愛着と切り替えが激しすぎる、が故に、次に何が流行るか全く読めない、というのが大きな特徴。
ちなみに、VolvoAudiのトップ2人だすごい!と思い隣のセッション参加したけれど、結構空いていて、おや?と思い隣の部屋(GenZ)を覗いたら、激混みだった。強い興味関心がうかがえます。
 
 盛り上がっていたセッションはこちら:
 
  BRIDGING THE ONLINE TO OFFLINE CONSUMER EXPERIENCE という名のコマースセッション。

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ビーコンは企業のエゴではないか、ビーコン活用で実際に幸せになった消費者がいるのだろうか?
という問いに一同と会場に盛り上がる。そこまで詳細な位置情報をとるにはまだテクノロジーがついてきていない。今は、どこに住んでいて、職場がどこで、今は旅行にきた、その程度の大規模な位置情報で十分だと考える。まずはそこの精度とユーザービリティをあげるべき。
アプリ作る作らない論は、作らないが優勢。理由は、ユーザーの平均起動アプリ数の限界、今から参入は遅すぎる。逆に巨大プラットフォームアプリのAPI連携などが広がっているので、そこに乗っかった方が価値。
 
これは今朝のeMarketerのプレゼンにもつながりますね。スライドデータ手に入れたら載せます。
 
また明日!